日本で初めて切腹した人は?
『切腹』というと、日本古来の自害方法であり、またその意味として『身をもって償う』『名誉ある自害法』として知られています。
現在では廃れてしまい、直近(といっても大分前ですが)で思い出すことができるとすれば、作家の三島由紀夫氏が1970年に陸上自衛隊市谷駐屯地で行ない、大事件となったもの(三島事件、楯の会事事件とも)くらいでしょうか?
今や英語でも『harakiri』として有名になった切腹ですが、いつ頃からあったのでしょうか?
日本史上初めての切腹は平安時代の貴族

最初に切腹を行なったとされているのは、藤原保輔(ふじわらのやすすけ)という平安時代中頃の官人です。
藤原氏といえば、誰もが歴史の授業で聞いたことのある有名な貴族ですが、どうしてそんな一族の人が切腹したのでしょうか?
実はこの藤原保輔という人、貴族でありながら盗賊でもあるという変わった人物でした。
子分と一緒に盗賊行為を重ねていた保輔は、988年、ついに密告されて悪事が暴かれてしまいます。
保輔は捕縛から逃れ、何とか逃げ延びたものの、そのせいで父親である藤原致忠(ふじわらのむねただ)が拘禁されてしまいます。
どうしようかと考えていた保輔ですが、結局子分に裏切られ、捕まってしまいます。
保輔は、捕まる直前に腹を切って自害を図ったとされています。
しかし、すぐには死にきれず腸が飛び出したまま牢獄に入れられ、次の日までもがき苦しんで死んだそうです。
これが記録に残っている中で最も古い切腹だと考えられています。
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